「腎臓売れ」「目玉売らんか」などと新聞紙上にとんでもない言葉が出てきています。よくご存知の日栄の問題です。マスコミではこの言葉を取り上げて、「無理な貸付と保証人をだますような説明。営業に対しての無理なノルマ。同じく貸し付け・回収のマニュアル」などなどが、とんでもない事のように報じられています。また、テレビでは債権者を登場させて、無理やり借らされたとか、暴利をむさぼられたとかの発言を流しています。
確かに、「腎臓売れ」は言葉としてはとんでもないですが、借りたお金を返せばそんな発言を営業がしなかったはずです。お金が回収できないから、そんな暴力じみた発言が飛び出してきたのでしょう。
また、暴利でお金を貸すとも言われていますが、これも法定金利内ですし、債権者の方々もそれを承知で借りられたわけですから、それをとやかく言うのはおかしいんじゃないかと小生は感じます。
もうひとつ、貸付・回収マニュアルがあるというのはけしからんと国会で大先生たちが怒ってましたが、どこの会社でも簡単ではあっても営業マニュアルがあると思います。それすなわち、悪と決め付けられたような感じです。金融業の回収マニュアルは即、我々の営業マニュアルですから、それが存在することに疑問を呈されても困ります。また、過大なノルマといいますが、残念ながら弊社でも営業社員にはゆるいながらもノルマがかかっています。これも悪なんですね。
ということで、マスコミや国会議員の大先生にかかっては、通常の業務に必要なマニュアルや目標設定（ノルマといいます）すら悪になってしまうようで、我々一般企業は、社員教育もできず無計画な経営を強いられることになります。
確かに、無茶苦茶な回収をすることを認めれば、エスカレートして命を取ってまでも回収をするということになるのかもしれませんが、「借りた金は返す。」「返せそうにもない金は借らない。」という債権者の基本原則をマスコミの皆さんは忘れてしまっているようです。少なくとも今の報道の仕方では、我々一般人が聞いた場合「彼らは非常識だな」という感じがしてなりません。恐喝まがいの回収方法を悪として取り上げ糾弾することは、弱者を救済する上でも大事なことです。だからといって、納得済みで借りてしまったお金に対して、後から金利が高いとか、貸すほうが悪いというような論法では、資本主義経済が成り立っていきません。その点について、帝国ニュース（帝国データバンク発行）に同じような論説がありましたが、小生も一経済人として賛成です。皆さんはどうお考えでしょうか。
ひょっとして、このマスコミの報道の仕方を「定説です」なんて言わないでしょうね。話は変わって、「ライフ・スペース」と言う名前をどこかで聞いたなと思っていたのですが、むかし社員教育のためのセミナーを開催していると言う案内をどこかの組合でいただいたことがあります。そのときは参加しなかったのですが、もし参加していたら、小生もミイラになっているか、または「グルのお言葉です。それは定説です。」と言ってたかも知れません。小生ならたぶん後者だろうな。
心理学をちょこっとかじった友人に話を聞いたのですが、今のグルさんは自分の言葉に酔い、自分の言葉だけが真実だと思い込んで行動している。組織のトップには多かれ少なかれそういう傾向はあるんだけれど、気の弱い人ほどそういう傾向が強い。ということです。組織のトップの人が自分を信じれずにフラフラしていては、組織内の人はたまったものではありませんが、あまり過信されてもね。ヒットラーとかムッソリーニなどもその傾向があるということです。もちろん、オウムの親分も同じことでしょう。なんだか、自分を見失うことって怖いですね。カリスマ性というものも、一皮向けば狂信性の産物だったりしたら、夢無いですよね。
今週号で金融の取立ての話とライフスペースの話を取り上げましたが、この二つには共通点があります。どちらも、自分の立場や考えを絶対のものとして、世間の仕組みや了解をまったく無視したような発言を繰り返しているからです。常識という言葉は使いません。常識は日々変化していくものなので、何の指針にもならないと小生は思うからです。マスコミはもっと中立的な立場をとって報道しないと、存在意義がなくなります。今の、日本の不況をあおったのもマスコミに大いに責任があると思います。
また、グルさんもサイババだかアリババだか知りませんが、もっと昔のように皆が納得するような、聞くほうの立場にたったお話をして下さったらいいのにと思います。
人間（組織）は偏ってしまうと、どのみち破滅の道しかないのが「定説」かな？
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