怪鳥「コンコルド」の飛行が禁止されました。もちろん原因は先日の事故です。エンジンや燃料タンクから火が出た事故でしたが、原因となったのはタイヤバーストだと言うことです。いわゆるパンクですよね。
コンコルドは、旅客機としては珍しい三角翼機です。世界で最初に音速を突破した実用機(戦闘機ですが)アメリカのF102の開発で、音速を超えるには前方投影面積を小さくし、空気を切り裂く衝撃波に機体が触れないようにすること、主翼の上下に流れる空気を機体から離さないことが効率的だと分かりました。
そこで、超音速戦闘機はみな矢のようなとがった形になっています。コンコルドも超音速を目的に20数年前に設計されたのでその特長を持っています。模型飛行機を飛ばしてみるとよく分かりますが、三角翼は抵抗が少なくスピードは上げやすいですが、エルロン(補助翼)とエレベーター(上下翼)がワンセットで上下動のコントロールが難しいのと、何より翼の面積を減らすために主翼が鋭角にならざるを得ないという欠点があります。これは、低速域では非常に安定性が悪いと言うことにもなります。早く飛ぶという特長の裏で、常時エンジンをぶん回してスピードを出しておかざるを得ないという欠点も見えてくるのです。
いろいろ考えると固定式三角翼の航空機は安全性・経済性第一番の旅客機には向いていないのでしょうね。じっさい、コンコルドを運行しているのは開発国の英・仏の国営(半国営)の航空会社だけでした。早くなくとも何百人も運べ、かつ小さなターボジェットエンジンで大きなプロペラを回して飛ぶジャンボとは好対照です。おっと、ジャンボはジェット機では思われるでしょうが、エンジンを見れば、実はターボプロップ機だと分かっていただけます。
今年は日航ジャンボ機の事故から丸15年経ちました。コックピット内で墜落する瞬間まで奮闘中のクルーの会話も公表されました。その他、火山の噴火や地震、通り魔、子供の虐待折檻死、逆恨みによる殺人等など、天災・人災にかかわらず悲惨な事件が多発しています。世紀末と言うことかもしれませんが、もっと安全な環境がほしいなと、長い夏休み中に考えてしまいました。それにしても暑いですね。
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